近ごろは、女性ドラマーの活躍がすっかり当たり前になりましたが、
みなさんはお気に入りのドラマーに出会えましたか?

シシド・カフカさん、ほな・いこかさん(ゲスの極み乙女。)、
川口千里さんなど、それぞれタイプは異なりますが、
カッコいい女性ドラマーはたくさんいます。

何がカッコいいって、ドラムを叩いている姿はもちろんなんですが、
しっかりとした実力を備えているところですよね。

女性ならではの繊細な表現力や安定感も兼ね備えているので、
バンド内での存在感はひときわ大きいといえるでしょう。

ということで、今回は女性ドラマーにスポットを当てて、
個人的に特に気になっているバンドについて紹介します。

ドラムが女性で上手いバンドについて

・BAND-MAID

ボーカル、ボーカル&ギター、ギター、ベース、ドラムの女性5人編成で、
ジャンルはロックです。

メイドのコスチュームと、重厚なサウンドとのすさまじいギャップ、
疾走するビートがクセになる実力派!

ドラムのAKANEさんは、安定感のあるリズムと攻撃的なアタック音で、
前に出すぎることなく絶妙なバランスをキープしています。

変則的なリズムパターンや細かいキメを自然に聴かせてしまうのも、
AKANEさんの実力あってこそでしょう。

このバンドはひとりひとりの演奏力がハイレベルで、
ギターの速弾きやベースソロなども見どころですね。

サウンド面ではメンバーそれぞれの立ち位置がわかりやすく、
バンドとしての一体感が気持ちいい!

・FUZZY CONTROL

ボーカル&ギター、コーラス&ベース、コーラス&ドラムのスリーピースバンドで、ジャンルはロックです。

そこでコーラス&ドラムを務める、SATOKOさん。

細身の体からは想像もつかないパワフルなサウンドを繰り出します。

特に印象的なのは、スティックの軌道の美しさです。

レベルの高いプレイヤーに共通することでもあるのですが、
ショットスピードが速く、動きにいっさいのムダがないんですね。

しかも、左利きなのでオープンハンドでプレイしているのですが、
とにかく叩く姿がカッコいい!

自身のバンドFUZZY CONTROL以外にも、
多くの有名アーティストのサポートを務めるほか、
本の執筆や画家としても活躍中です。

FUZZY CONTROLのドラムプレイでは、
ギターのカッティングと絡むハイハットやスネアのキレの良さ、
ムダな音をどこまでも排除しつつ、必要な場面では効果的なフレーズで
楽曲を演出するセンスの良さをいかんなく発揮しています。

なんと「手数王」菅沼孝三さんの娘さんなんですね。
お父さんゆずりのドラムソロのすさまじさは必見です!

・Gacharic Spin

キーボード、ギター、ベース、ドラム、パフォーマーの女性5人編成で、
ジャンルはポップスからヘビメタ系まで幅広いのが特徴です。

ひとりひとりのパフォーマンスや演奏力は、かなりハイレベルで、
ギターのTOMO-ZOさん、ベースのF チョッパー KOGAさん、ドラムのはなさんが、AKB48のメンバーに楽器の指導をしたことでも知られています。

そんなGacharic Spinでボーカル&ドラムを務める、はなさん。

鮮やかなブルーの髪がクールですが、ドラムプレイはかなり熱く圧巻です。

注目すべき点はフレーズの多彩さです。

ヘビーなバスドラムを絡めたタム回しや、とにかく高速な連打、
エフェクトシンバルの使いどころなどはセンスの良さを感じますね。

しかも、ご本人はベースやキーボードなども弾けて、
前任のボーカリストが脱退したのをきっかけにボーカルも担当するなど、
マルチな才能を発揮しています。

笑えるステージングもこのバンドの魅力のひとつではないでしょうか。
お祭り好きなら迷わず聴いてみてください。

迫力のドラムソロは必見です!

ほかにもセンスと実力を兼ね備えた女性ドラマーや、
彼女たちが活躍するバンドが多く世に出てきています。

みなさんもぜひチェックしてみてください!

ドラムのオープンハンドのメリットやデメリットについて

今回はドラムのオープンはんどのメリットやデメリットについてお届けいたします。

右利きの人がドラムを叩くときの一般的なポジションは、
右脚でバスドラムのペダル操作、左脚でハイハットのペダル操作、
右手でハイハットやライドシンバルを、左手でスネアを叩くというものです。

一方、オープンハンド奏法では、右脚と左脚は同じポジションですが、
左手でハイハットや左側にセッティングしたライドシンバルを、
右手でスネアを叩くといった具合に、手だけ左右が逆転します。

そもそもドラムセットというのは、
バスドラムやスネア、タム、シンバル、ハイハットなどの各楽器を、
別々の人がそれぞれに演奏していたのをひとつにまとめたものです。

学生時代に音楽の授業で、大太鼓や小太鼓、シンバル、カスタネットなどを、それぞれが分担していた場面を思い出しますね。

多くの楽器をひとりで叩けるようにするために、
バスドラムにシンバルをセッティングできるように改良したり、
重ね合わせたシンバルを脚の操作で開閉できるようにしたり、
それらが進化してドラムセットになりました。

これについては「Wikipedia」内の「ドラムセット」の記事が面白いですね。

特にハイハットスタンドが生まれる経緯は興味深く、微笑ましいです。

8ビートやシャッフルを叩くときに、なぜ手を交差させるのか?

さて、上記のように進化を重ね、現在の姿になったドラムセットですが、
8ビートやシャッフルを叩くときに、なぜ手を交差させるのでしょうか。

これについての明確な理由はわからず憶測にすぎませんが、
おそらく、利き手である右手でハイハットを叩いたほうが、
スピードや繊細なコントロールの面で有利だからではないでしょうか。

ですが、手を交差させることで、
スネアを叩く左手の動きは、かなり抑制されてしまいますね。

それが発端なのか、それとも左利きの人が効率を優先したのか、
はたまた別の理由が存在するのか……。

いずれにせよ、
オープンハンド奏法には多くのメリットがあるので、
これを機会に取り組んでみるといいかもしれません。

オープンハンド奏法のいちばんのメリットは、
フレーズの自由度が高まるということです。

基本的なポジションの場合、
スネアを叩くために振り上げる左手やスティックの動きを、
右手やスティックが邪魔することになります。

2、4拍目のアタマにスネアを叩くパターンであれば、
同じタイミングで右手を振り上げれば問題ありませんが、
常にそのパターンということは、ほぼないかと思います。

また、少しでもスネアの音量を稼ぐために、
スネアとハイハットの高低差を大きくセッティングする方法もありますが、
上半身のバランスを崩しやすくなるので、あまりおすすめしません。

その点オープンハンド奏法では、
そういった物理的な縛りから解放されるため、
スネアの表現が今まで以上に広がり、安定感も生まれます。

さらに、左側にセッティングされたハイハットから、
右側にセッティングされたライドシンバルへの長い移動距離からも解放されます。
同じような理由でタムへの移動も有利になります。

究極は、手の交差をする必要がないので、
セッティングの際にハイハットとスネアの高低差を意識せずに済むということです。

各楽器は距離が近く、高さが揃っているほどに叩きやすくなるので、
バスドラムを除いた、ハイハットとスネアのタイミングも揃えやすくなります。

オープンハンドにデメリットはある?

デメリットがあるとすれば、
オープンハンド奏法にすることで左手主導のクセがついてしまうと、
タム回しなどで手順が逆になり、とにかく叩きづらいという点でしょうか。

ですが、一般的なポジションで叩くことに慣れた人が、
オープンハンド奏法に取り組むというケースの場合、
左右のバランスが取れるため、結果的に多くのメリットを享受できるとも言えます。

ただし、これはあくまで左右の手のバランスに限った話なので、
右脚や左脚とのバランスを取るためには、多くの練習が必要です。

簡単にまとめると、
メリットは「セッティング上の制約からの解放」、
デメリットは「慣れるまでが長い」といったところでしょうか。

余談ですが、基礎練習において(主に手の)手順を左右逆転する習慣をつけておくと、
リズムや音量のバランス、フレーズの自由度などが高まるのでおすすめです。

ドラムの音作りのコツ。スネア・バスドラのチューニング。

リハーサルスタジオのドラムセットは色々な人が使うこともあり、
チューニングやヘッドの劣化具合によって音がその都度変わります。

濁った音だったり短い音だったりすることもあれば、
ビックリするくらい気持ちよく鳴ることもあります。

本当は、常に気持ちのいい音で叩きたいところですが、
調整に時間を割いてしまうと、肝心の練習が進まない……。
今回の記事では、そんなときのための応急処置をお伝えします。

細かく音を確認しながら行うチューニングとは違うため、
所要時間は長くても5分程度に収まると思います。

まず、スタジオに入ったら椅子やスネア、ハイハット、シンバルなど、
各パーツの高さや角度を調整しますね。

時間がないときは、すぐに練習を始めることになるかと思いますが、
できればバスドラムとスネアには少しだけ時間を割いてみてください。
チューニングボルトが極端に緩んでいないかの確認だけで結構です。

バスドラムの場合は奥側(丸い穴が開いていることが多い)のヘッドが
緩んでいることが多く、緩み具合が極端だと平べったい音になりがちです。
また、その状態では自分でも音を聞き取りづらくなります。

ヘッドのたるみを見つけたら、その近くにあるチューニングボルトと、
その左隣、右隣、対角線上にあるチューニングボルトをそれぞれ締めてみましょう。
チューニングボルトは時計まわりに45〜90°の範囲で回します。

90°ほど回しても、まだチューニングボルトが緩い場合は、
さらに45°ぐらい締めてみてください。

チューニングの基本はすべてのチューニングボルトを均等に締めることですが、
ピンと張ったように見えれば、ひとまずそれで大丈夫です。

全体的にたるみが解消されたら、次はバスドラムの手前側のヘッドです。
こちら側も同様に、たるみを解消したいところですが、
思い切って省略してしまいましょう。

手前側のヘッドに関しては上側にある2本のチューニングボルトを、
「実際に音を出しながら、両手で同時に締めたり緩めたりする」ことで、
バスドラムがよく鳴る締め具合を探ります。

よく鳴る、というのは、単に低い音が出ているということではなく、
胴がしっかり振動して、芯のある音が出ている状態をいいます。

なお、手前側のチューニングボルトの締め具合によっては、
キックペダルの踏み心地やビーターの跳ね返り方が変化するので、
そのあたりも意識しながら試してみてください。

具体的にいうと、キックペダルを踏んで「ドン!ドン!」と音を鳴らしながら、
上側の2本のチューニングボルトを両手で同時に締めていきます。
音が高いように感じる場合は、逆に緩めていきます。

また、バスドラムの場合、奥側のヘッドに穴が開いていることが多く、
中にウレタンや布、重しなどを入れてミュートが施されていることがあります。

布が入っている場合に多いのは、
置き方が片寄ってしまいヘッドに当たっていないケースです。
ヘッドに開いた穴から手を入れて、布の位置を変えてみましょう。

手っ取り早いのは、手前側のヘッドに当たるように布を調整する方法です。
奥側のヘッドの鳴りが気になるときはミュートするのも手でしょう。
タオルや折りたたんだティッシュをガムテープで貼り付ければミュートできます。

スネアの音作りについて

次にスネアについてです。

バスドラムの奥側のヘッドと同様に、スネアの裏側のヘッドについても
たるみをなくすようチューニングボルトを締めてください。

その際、最初に回すチューニングボルト(ヘッドが緩んでいる周辺)を決めたら、
その左隣、右隣、対角線上にあるチューニングボルトの緩みも確認してください。

チューニングボルトが少しの力で簡単に回ってしまうようであれば、
そこから少し強めに締めたほうがよいでしょう。
チューニングボルトは時計まわりに45〜90°の範囲で回します。

全体的にたるみがなくなったら、今度は表側のヘッドです。
こちらも同じように、たるみを解消してください。
表側がたるんだ状態はあまり見かけませんが、念のため確認しましょう。

スネアのスナッピー(響き線)の締め具合について

最後に、スネアのスナッピー(響き線)の締め具合を確認します。
緩ければ「ザー」という音が長くなり、きつければ詰まった音になります。

よほどの状態でないかぎり、すでにスネアとしての音は出ているはずですが、
表側のヘッドにミュートを施すことにより、締まりのよさと聴きやすさを
プラスすることができます。

ミュートは、折りたたんだティッシュをガムテープでヘッドに貼れば完成です。
ガムテープの粘着面を表にして小さく輪っかを作り、それを貼る方法もあります。
貼り付ける位置によっても印象が変わるので、色々と試してみてください。

以上で応急処置は終了です。

他には、音を極端に小さくしたい場合に、
スネアの表側のヘッドにタオルを半分ぐらいかぶせる方法や、
バスドラムの響きがマイクに影響を与えてしまうときに、
奥側のヘッドをたるみが出るくらいに緩める方法などもあります。

また、タムやフロアタムに関しても、
基本的にはすべてのチューニングボルトを均等に締めるのが理想ですが、
1〜2カ所だけ極端に締めたり緩めたりすることで、
意外といい鳴りをすることもありますので試してみてください。

以上、楽しいドラム生活をお祈りしています!