ギターのブラッシングとカッティングの違いとは?

最もポピュラーなリズム・ギターのテクニックで、ブラッシングとカッティングがあります。

実際の演奏では、この2つのテクニックを組み合わせてリズムを刻んでいきます。

この2つをそれぞれしっかり理解し、弾けるようになる事で、ギターのリズム・プレイは格段に向上します。

ブラッシングとカッティングの違いを書いていきますので、両者の違いという素朴な疑問を解決しましょう。

カッティングとブラッシングについて

カッティングとは、音を短く切る動作で、リズミックにストロークするプレイを指します。

そしてブラッシングとは、弦を指で軽く押さえてミュート状態とし、その状態のままパーカッシヴにストロークをする事です。

そしてカッティングとブラッシングの違いですが、カッティングは実音を短く切る、ブラッシングは音程感のない音です。

この2つを組み合わせて演奏します。

ちなみにここまで解説した言い方は、日本独自なので海外のミュージシャンには通じませんので注意しましょう。

カッティング、ブラッシングに共通しているのは、ダウン/アップ・ストロークを交互に繰り返す、そのためにはどちらも同じ力、スピードで出来なければなりません。

譜面上では同じ表記で、奏法的にも似ていると言えます。海外ではStrummingと言ってどちらも同じものとして扱われているようです。

これらに共通する重要なポイントは、アクセントの位置、正確なストローク、休符を弾く、という点です。

そのためには、しっかりとしたリズムを把握し、カッティングとブラッシングの技術を持っていなければ出来ません。

ファンク系の楽曲では、必須と言えるギター・プレイになりますが、ロックでもガレージ・サウンドでザクザクとリズムを刻むイメージがあります。

Thee Michelle Gun Elephantのアベフトシ氏は、超高速でカッティング/ブラッシングを行い、その名手として知られており、「マシンガン・カッティング」と言われています。

カッティングのコツ

カッティングのコツの1つとして、ストロークによる「音の厚み」のコントロールがあります。

ブラッシングを入れる場合でも実音の場合でも同じですが、鳴らしたい弦のみをストロークすればシャープでスッキリしますし、ミュート音も含めて全弦ストロークすれば太くて厚みのある音になります。

ストロークのリズムに合せて、左手の指で実音とブラッシングの入れ替えをします。

左手と右手のコンビネーションを練習しましょう。

左手は、出したい音の長さでサっと切ります。指板から指を上げることで音を切る事が出来ます。

途中でブラッシングを交える場合、まずはゆっくりしたテンポから始めると良いです。実音、休符、ブラッシングと、パターンを把握して、スピードよりも正確に弾く事を優先します。

中途半端なサウンドや、余計な音が出ないように注意してください。

左手は何度か練習すれば比較的早く慣れると思いますが、右手、つまりピッキングやストロークが難しいと思います。

ギターという楽器は、弦にピックもしくは指をアタックすることで発音する楽器です。

そのアタックの角度、タイミング、強さなど、微妙な違いが演奏に大きな影響を与えます。

カッティングの際のストロークのコツです。

Fender Stratocasterであれば、まずは肘をボディに固定します。コンター加工の箇所を活用しましょう。

弦をダウン/アップ・ストロークする際、手首のスナップに加えて、腕の振りも多少大きめに入れます。

手首に力を入れずにブラブラさせて、団扇を仰ぐように、もしくは鞭を打つようにしならせます。

小手先だけでなく、体全体でリズムを生み出すイメージを持って、腕と指を使いましょう。

ピックを握る時も、強く握り過ぎないように注意します。

強く握るとストロークの際に弦にピックが引っかかってしまいますし、弱過ぎるとピックが指から飛んでしまいます。

先述したように、手首からは力を抜いて、ストロークの速度もキレよく行います。

ダウン・ストロークでは重力の助けもあるので腕の振りは楽だと思いますが、アップ・ストロークでは意識しないと高音弦にピックが引っかかって、上手くリズムを取れないと思います。

休符では、左手を浮かせても押弦していてもかまいませんが、右手は空ピックでリズムを途切れず把握しておきます。リズム感に自信がない場合は、ダウンとアップを繰り返しておきましょう。

生音で出来るようになってきたら、次はアンプを通して練習します。

エフェクターは使わず、音も極端な設定にはしないで、あくまで素の剥き出しの音で練習してください。

自分の技術の誤魔化しがなく、音量も上がっているため、些細なミスやリズムのズレが気になり、初めはイヤになるかもしれませんが、我慢して続ける事が大事です。

また、練習の際はメトロノームを流しながら、常に拍のアタマを意識して、リズムを重視してください。

上手くカッティングが出来るようになったと思ったら、次はリズム・マシンと合わせて弾いてみます。その音を録音して、他のリズムとの一体感が出ているかをチェックします。

ブラッシングのコツや練習方法。

ブラッシングはミュート奏法の一部で、コード・ストロークでも単音弾きでも使う事が出来ます。

この音を入れることによって、ロックらしい無機質でパーカッシヴな音を出すことで、よりリズムを強調した演奏が可能になります。

ドライヴ・エフェクトをかますことで、より強力なサウンドにもなります。

実音を鳴らす時はしっかりと押弦し、ブラッシングの時は指の力を適度に抜いたミュート状態でストロークをします。その時のザラっとしたアタック音がブラッシングになります。

テンポを上げて弾けば、キレと迫力、そして強いノリを出すサウンドが生まれます。

グルーヴ感が重視される音楽では特に重要なテクニックですので、練習するだけでなく、色々なギタリストのプレイも参考にしましょう。

ギターのカッティングとは?コツや練習方法。

カッティング・ストロークとは、大まかに言えばコード・ストローク中に細かく音を切ったり、休符を入れたり、ブラッシングを挟んだりして、コードとリズムを表現する奏法です。

また、ロック系では主に低音弦中心で、もしくは6、5弦すべてで行われる事が多いですが、R&Bやファンクなどでは、1~3弦の根音省略系で弾かれ、よりギターのリズム楽器としての側面が強調されることになります。

もちろん、単音弾きでもカッティングと言います。文字通り単音のみを弾くのか、単音+ミュートした他の弦も同時に弾くのかで、音の厚みが変わってきます。

カッティングを行う場合は、右手(レフティ・ギターの場合は左手)の力を抜き、手首のスナップが重要になります。

カッティング時の音を切る動作は、左手の指を浮かせることでコントロールするのが基本です。もちろんストロークの合間に、右手でバッと音を切る事もあります。

右手ミュートは、主に開放弦を絡める場合に使われます。

カッティングのコツのまとめです。

  • ストロークする力をなるべく抜いて、ダウン/アップを繰り返す。
  • ミュートしたり音を伸ばしたりするのは、基本的に左手の押弦でコントロール。
  • 不要な弦はしっかりミュートする。

以上を意識しながら練習しましょう。

カッティングの練習方法

カッティングの練習は、ダウン/アップの繰り返しパターンで、一定のリズムを保ちながら弾くことです。

そこにブラッシング・ミュートを入れられるようにしてください。

ブラッシングとは、右利きであれば左手、左利きであれば右手でミュートした状態でストロークすることです。

さらに16分音符/休符の早いリズムで、アタックに強弱をつけます。

リズム練習の基本に従って、メトロノームでしっかりと拍のアタマを確認する事が大事です。

ここでいくつかカッティング・ストロークのパターンを紹介しますので、練習する時の参考にしてください。

下記は|~|が1小節、xがブラッシングです。全て16音符で考えてください。

|xxxx xxxx xxxx xxxx|

これが出来るようになったら、今度は1拍目のアタマにコードを弾いて実音を出して、他の音符はブラッシング・ミュートをするという練習をしてみましょう。

下記は、先ほどと同じ|~|が1小節、xがブラッシングです。同様に16音符です。

拍のアタマでAメジャー・コードを弾きます。その他の音符は全てブラッシングです。

|Axxx Axxx Axxx Axxx|

これが安定して出来るようになったら、次は実音を出すタイミングを増やして、拍の位置もずらしてみます。

|AxxA xxAx xAxx Axxx|

次は、音を伸ばす場所を作ります。

-(ハイフン)は音を伸ばしている状態を指すと考えて下記を弾いてみましょう。

|A--A xxxA xAxx AAxx|

音を伸ばしている時は、ストロークをせずに手を止めてもかまいませんが、弦から手を浮かせてピックを弦に触れずに手を動かし続けてもかまいません。

先に書いたように、ダウン/アップの繰り返しを崩さないように、何拍伸ばしているかを空ストロークで感じておくとリズムを保てます。

また、ここは「伸ばし音」で「休符」ではないので注意してください。

音を伸ばせばゆったりしたリズム、休符であればシャープなリズムになります。

以上が基本的なカッティング・ギターの練習になります。

カッティングはギターの基礎ですが、最も奥が深く、突き詰めていけば、ギターという楽器そのものを考えることにもなります。

そして最もギタリストの個性が出やすいプレイでもあります。

頑張って練習しましょう。

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