Blackstarのアンプの特徴と使い方。

アンプ・ブランドとしては比較的新しいBlackstarは、イギリスのノーサンプトンに拠点を置いています。

元々Marshallに在籍していたエンジニア達によって設立されました。

そのルーツにあるように、ブリティッシュ・ギターの正統を踏まえつつ、新しいサウンドにも意欲的に取り組んでいます。

アンプの他にもエフェクターなども制作しているのですが、HT-5などのアンプがヒットしたため、アンプ専門ブランドというイメージが強くなりました。

Blackstarについて

制作陣が、Marshallで培った知識・技術力をふんだんに活用しているのが何よりの強みで、真空管アンプの特性を知り尽くしていると言っても過言ではありません。

また、2つの特許と、1つの特許出願中のものがあるそうで、新しいものを開発していこうという意欲があります。

特許出願中のものはTVPというものです。

これはアンプのパワー管のシミュレートをするもので、EL84、6V6、EL34、KT66、6L6、KT88の6つのパワー管のレスポンスを再現できます。

現在流行り、今やレコーディングでも主流になりつつある、アンプ・モデリング技術と同じで、パワー管をシミュレートしています。

これはID Seriesプログラミング・アンプに使用されています。

ID Seriesは、真空管アンプの評価が高いBlackstarだからこそ可能な、リアルな真空管シミュレートが可能となっているアンプです。

プリ管部もボイス・コントロールとなっており、クリーン、ウォーム、クリーンブライト、クランチ、スーパークランチ、オーバードライブ1、オーバードライブ2の6つとが用意されています。

エフェクトもスタジオ・クオリティの高品質を持っています。

モジュレーション、ディレイ、リバーブなど、一通りは揃っていると言えるでしょう。

Blackstar InsiderというPC用のソフトを使うことで、アンプに装備されているUSB端子経由で、PCへパッチが保存できるようになっています。

また、Macでお馴染みのGaragebandなどのDAWソフトウェアに繋いで、ギターを録音可能になっています。

使い方

・ISF(特許)

Blackstarのギター・アンプには、特許を取得しているISFコントロール(Infinite Shape Feature)が導入されています。

この技術により、中高域の抜け具合に優れる乾いたアメリカン・サウンド、そして特徴的な箱鳴りを有するブリティッシュ・サウンド、どちらかを選ぶことが出来ますが、この点がアンプを使う方を悩ませているようです。

メーカーの意図しては、「従来のヴォイシングからその先の未知の領域のトーンまでを生み出せる」とのことですが、これがなかなか難しいようです。

右へ回していくにつれ、ブリティッシュ・サウンドへ連続的に変化していくとありますが、箱鳴りサウンドというより、低域が強くなって音がこもっていくだけのような感じもします。

コントロールは、センター付近で使うのが最も無難だと思います。

・DPR(特許)

もう一つ、Blackstarの持つ特許をご紹介しましょう。

DPR(Dynamic Power Reduction)という、大型アンプのための特許で、真空管アンプから生み出されるトーンを損なうことなく、パワー・レベルを10%までダウンさせることが出来る機能です。

つまり、大きなおとで鳴っている時の音圧感やパワー感を、そのままキープした状態で、音量を落としていくことが出来ます。

このDPRは、Series Oneアンプに使用されています。

Series Oneシリーズは、以下のモデルが用意されています。

  • EL34 50Wと100Wモデル
  • KT88 200Wモデル
  • 6L6 100Wモデル

いずれもDPRが用いられており、パワー管がフルの時のサウンド感そのままに、10%まで落としていけるのです。

真空管のアンプはフル・パワーで鳴らさないと、そのアンプ本来の良さが出ない、と言われ、気軽な演奏やリハーサルなどでは、ギター音が大き過ぎるという問題を抱えています。

この機能を使えば、音量を落としたギター音でも、音の質を保つことが可能になります。

代表的なアンプ

ID:100TVP HeadD

最初に挙げたBlackstarのプログラミング・アンプ、ID SeriesのID:100TVP Headです。

100Wの出力で6チャンネル、ユーザー・パッチが128通り保存可能になっています。

他に12種類のエフェクト、USB端子とMIDI Inを装備、チューナー内蔵、そしてフット・コントラー付きという、オール・イン・ワンとも言うべきアンプです。

ここまで揃った仕様で、出音も非常に良いのですが、価格は7万円(2020年3月現在)を切るというもので、コスト・パフォーマンスに優れています。

しかし、いくつか不親切な点もあるようで、例えば出荷状態ではDemoモードがOnになってて音がセーブされない、PC用のソフトウェア(付属しています)がないと操作できないなどです。

もし購入された場合は、「ID:100TVP Head 操作方法」「ID:100TVP Head レビュー」等で検索して、よく調べてから使用する方が良いと思います。

Blackstar FLY3

上記で紹介したID:100TVP Headとは正反対の、3Wのミニ・アンプです。

大きさは、幅17cm、縦12.6cm、奥行き10.2cmというとても小さいサイズで、奥行き以外はタブレットよりも小さいものです。

このサイズの大きさで、クリーン/オーバードライブの切替えが可能、そしてなんとディレイまで装備されています。

Bluetooth機能が搭載されており、携帯電話やMP3プレーヤー、もちろんPCも接続することが可能になっています。

また、バッテリー駆動にも対応していますので、電源のない所でもアンプを通してギターの音を出すことが出来ます。

この手の小さいアンプは歪みがどこかチープなのですが、このアンプは安定感のある真空管の歪みがしっかりしており、さすがはBlackstarといった感じですね。

Blackstarのアンプヘッドの評価・評判

Blackstarは、2004年にイギリスで設立されました。

前述のとおり、Marshall出身の技術者達、「真空管アンプのエキスパート集団」の5名から始まったのです。

ギターの製作も行っていましたが、現在ではアンプの方が有名になっています。

Blackstarアンプには、確かな技術力と柔軟な発想力で、いくつかの特許を取得しています。

最も知られているものの一つが、ISFでしょう。

これは、アンプのイコライザー機能に関連して稼働し、様々なサウンド・キャラクターを作り出すことが可能になるものです。

例えば、コントロール・ノブを左へ回していくとタイトな低域が強調されるようになり、尖ったような中音域の、いわゆるアメリカン・ギターのサウンド、逆に右へ絞っていくと箱鳴り感が豊かで、少し曇ったようなブリティッシュ・サウンド、というような設定が可能になっています。

アンプのみでのサウンドメイクにこだわる方は、ぜひ試して欲しいと思います。

アンプヘッド

・HT−1R

プリ管に12AX7を1本、パワー間に12AU7を1本使用した、出力1Wで2つのチャンネルを有している、オール・チューブ・アンプヘッドになります。

小さい筐体ではありますが、確かな技術力に裏打ちされて、安定した本格的チューブ・アンプ・サウンドが得られます。

軽めのクランチから、厚みのあるオーバードライブまで出せますので、幅広いジャンルのギター・サウンドを作ることが出来るでしょう。

スピーカー・エミュレート機能とヘッドフォン端子、MP3/ライン端子を装備しています(アンプ自体はモノラルなのですが、ステレオ出力されます)。

ポイントは、スピーカー・エミュレート機能でしょう。

ISF機能も搭載されており、さらにデジタル・リバーブも内蔵されていますので、この1台だけで十分事足ります。

・HT-5

5W出力で2つのチャンネルを持ったアンプヘッドです。

究極のスタジオ用、もしくは練習用アンプと言えます。

最も低い音量に設定しても、従来の100Wクラスのアンプの特性を表現することが出来る良いう優れものです。

プリ管に12AX7を1本、パワー管に12BH7を1本使用しているのですが、この12BH7を使用することで、小さな音量でも歪ませやすくなっています。

やはりこの機種にもISF機能、スピーカー・エミュレート機能が備わっており、これらが要因となって、小さい音でも真空管アンプの特徴を損なわせない工夫がされています。

同様にMP3/ライン・インプットもあります。

このモデルから、エフェクト・ループ(+4dB/-10dB)が搭載されることになります。

・Artisan 15

ポイント・トゥ・ポイント、ハンド・ワイヤード、クラスA、15Wのアンプヘッドです。

ポイント・トゥ・ポイントとは、基盤を一切使わず、全て配線材で付けられている回路を有するアンプで、音信号の劣化を出来る限り排除することを目的としており、Matchlessの機種でも採用されています。

チャンネル・ブレンド機能を有していて、2つのインプットを連結して接続することが可能になっており、音色のバリエーションをさらに広げられます。

チャンネル1にプリ管に12AX7を使用、チャンネル2にはハイゲインでノイズが少ない5極管EF86を使っています。

Hiインプットは、ダイナミックかつ澄んだトーンが特徴的で、Loインプットは低域が緩やかに強調されるメロウで温かみのあるサウンドを持っています。

パワー管にはEL84を2本使用しています。

また、シングルエンドの5Wとプッシュ・プルの15Wに切り替えが可能になっています。

・HT Studio 20

20W出力で2つのチャンネルを持ったアンプヘッドです。

プリ管に12AX7を2本、パワー管にEL34を2本使用しています。

Venueチューブ・アンプを使うことにより、非常に純度の高いクリーン・サウンドから、歯切れの良いクランチ、そして極限まで歪ませたようなオーバードライブなど、本当に思い通りサウンドメイクが可能です。

こちらも今まで紹介した機種同様、ISF機能、デジタル・リバーブ、スピーカー・エミュレート・アウトプット、エフェクト・ループが搭載されています。

・Series One シリーズ

Series One シリーズのアンプは、バルブ・トーンに柔軟性を持たせ、真空管アンプに新しい基準を作り上げました。

最新の技術によるプロ仕様のアンプになっており、過酷なツアーでも常にハイ・クオリティを求められる現場に対応できるよう設計されています。

MIDIプログラムの変更メッセージ経由のチャンネル選択をコントロールする機能、最先端のスピーカー・エミュレート・アウト、エフェクト・ループなどを搭載しています。

パワー管にはEL34、KT88、6L6と、各モデルでそれぞれ採用されています。

評判

Marshall出身のエンジニアが立ち上げたブランド、というと、どうしてもMarshallのようなサウンドを想像してしまいがちですが、そのイメージは捨てた方が良いです。

個人的には、どちらかと言えばヴィンテージなFenderを最新技術でさらに進化させたような印象を受けました。

特に現代の音楽環境にも対応した機能を有しながら、古き良きチューブ・アンプの魅力を存分に引き出してくれるアンプと言えます。

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